ドリンクやゼリーなど、食べて体の中からコラーゲンを補う美容食品が人気になっていますね。
手軽にコンビニで買えるグミや飴などのお菓子から、化粧品メーカーが出している高価なドリンクやサプリまで、さまざまなコラーゲン配合食品があふれています。
美容に詳しい方なら、「肌にコラーゲンをいくら与えても効果がない」
というのは、よくご存じの通り。
コラーゲンがあるのは、肌の奥の真皮層です。
コラーゲンは比較的大きな構造をしているので、いくら外から与えてあげても、真皮層まで吸収されることは難しいのです。
それなら、体の中から補ってあげた方が効果がありそうですよね。
でも、ここ最近、「コラーゲンを食べて摂取しても、効果がない」という話を耳にしたことはありませんか?
私も、「飲むと翌朝すぐにハリに効果がある」という口コミを聞いて、あるメーカーのコラーゲン高配合ドリンクを飲み続けてきました。
確かに、なんとなく肌がプリプリしたような気がするのですが、これは、プラセボ効果で気のせいだったのでしょうか?
毎日信じて摂り続けている人にとっては、とても気になりますよね。
消化吸収のしくみ
高校で生物を勉強した人は、「消化吸収のしくみ」について、記憶にあるでしょうか。
体を構成している重要な部品の1つにタンパク質があります。
コラーゲンは、タンパク質の一種で、体やさまざまな臓器の構造を維持する、いわば建物の土台のような働きをしています。
私たちは、必要な栄養素を「食べる」ことで補っていますので、タンパク質の一種であるコラーゲンも、食品として取り入れることができます。
しかし、食べたコラーゲンが肌のコラーゲンになるのかというと、そう上手くはいきません。
タンパク質は大きな構造をしていますので、そのままの形で吸収されることはありません。
タンパク質は、アミノ酸がたくさん繋つながった構造をしています。
体内に入ったタンパク質は、一旦、バラバラのアミノ酸に分解された後、腸から栄養素として吸収されます。
その後、血液によって体のさまざまな部位に運ばれて、タンパク質として再合成されるのです。
タンパク質を構成しているアミノ酸は、約20種類あるといわれています。
コラーゲンとして摂取しても、再合成したあとに再びコラーゲンになるか、他のタンパク質になるのかはわからないそうです。
もし、コラーゲンとして再合成されたとしても、肌のコラーゲンではなく、軟骨や靭帯など、別の体の部位のコラーゲンとして働くことも、考えられます。
では、コラーゲンを食べても全く意味がないのか?というと、そうでもないようです。
コラーゲンはやはり摂取した方がいい!
最近の研究では、コラーゲンを摂り続けた人とそうでない人を比較した結果、摂り続けた人の方がコラーゲン量が多かったというデータがあります。
詳しいことは明らかになっていないようですが、摂取したコラーゲンの一部は、完全に分解されずにコラーゲンの構造を保ったまま、腸で吸収されるという仮説があります。
この一部のコラーゲンがきっかけとなって、体内でコラーゲンをたくさん作るように指令を出しているのではないか、と考えられているようです。
メカニズムは明らかになっていないものの、多くの方がコラーゲン食品でハリを実感していることも事実。
あまり過信しすぎず、「体に良いものは肌にも良いはず!」と信じて使ってみるのも良いかもしれませんね。
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