美容業界では、もはや定番になりつつある「コラーゲン配合」をうたった化粧品や美容食品。
ですが、ここ最近、テレビ、新聞、インターネットなどでは、「コラーゲンは肌に効果がない」「塗っても、食べても、全く意味がない」という話をよく耳にします。
コラーゲンは肌に良くない?
本当のところはどうなのでしょうか。
コラーゲンの効果を信じて、化粧品や食品を使い続けている人にとっては、とても気になるところですよね。
「肌に効果がない」と言われている根拠として、次のことがあげられています。
肌からは吸収されない
コラーゲンが存在しているのは、肌の奥の真皮層です。
コラーゲンはかなり大きな分子構造をしていますので、真皮の層まで吸収されるのは難しい、というのが定説のようです。
摂取したあとに分解されてしまう
コラーゲンはタンパク質の一種で、多くのアミノ酸がつながった構造をしています。
タンパク質は、食べた後に、一旦バラバラのアミノ酸に分解されてから腸内で吸収されます。
その後、体のさまざまな部位で再びタンパク質として再合成されます。
ただ、コラーゲンを摂取しても、再合成して別のタンパク質になることもありますし、コラーゲンになったとしても、軟骨など別の部位のコラーゲンとして働くこともあります。
このような点が、「コラーゲンは効果がない」という根拠として、あげられているようです。
コラーゲンは摂取した方がいい!
では、全く肌への効果がないのかというと、そういう訳でもありません。
最近の研究で、コラーゲンを摂取した人の方が肌のコラーゲン量が多い、という実験データがあるそうです。
このメカニズムはまだ明らかになっていませんが、摂取したコラーゲンの一部は肌のコラーゲンになるわけですから、とらないよりはとった方が効果が期待できる、ということでしょうか。
ただ、コラーゲンだけを多量にとるというのは、あまり意味がありません。
なぜなら、コラーゲンも体の他の細胞と同様、半年~何年という長い時間をかけて生まれかわっています。
たくさん飲めば翌朝すぐに肌がプリプリになる、ということはありません。
新しいコラーゲンを体内でどんどん作りだし、古いコラーゲンをきちんと代謝して排出することが大切なのです。
このコラーゲンを作りだしているのは、「線維芽細胞」と言われる細胞です。
線維芽細胞は、コラーゲンだけではなく、エラスチンを肌で作りだすもととなっています。
コラーゲンのみ注目されがちですが、肌のハリには、実は「エラスチン」も大きく影響しています。
コラーゲンは線維状のタンパク質で、これが絡みあうことでネット構造を作り、この構造が肌のハリを生み出しています。
この線維をつなぎとめる役割をしているのが、エラスチンです。
コラーゲンとエラスチンの両方を生み出すもととなる「線維芽細胞」に着目した化粧品も多く出ています。
こうした商品をとりいれて、総合的にハリをケアしていくのが、美肌の近道かもしれませんね。
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