食べるコラーゲンは効果なし?|コラーゲンの「質」に注目

コラーゲンについて

コンビニ、スーパー、飲食店。
最近あちこちの店で見かける「食べるコラーゲン」商品。
たくさん食べるとお肌にハリが出る!と人気を集めているようですね。

美容業界では10年ほど前から人気に火がつき、いまや「コラーゲン」をうたった商品があふれています。

ところが、ここ最近こんな話題がよくメディアなどで取り上げられています。
「コラーゲンを食べても意味がない」
「コラーゲンで肌がぴちぴちになるのは嘘」

本当のところはどうなのでしょうか?
気になるところですよね。

消化吸収の仕組み

まず、高校生物を学習したことのある人なら知っているかもしれない、「消化吸収の仕組み」について、簡単に説明しておきましょう。

わたし達人間は、ほかの植物や動物を食べることで必要な栄養素をとり、体を維持するのに役立てています。

「タンパク質」も体をつくる大切な栄養素の1つで、「コラーゲン」はタンパク質のうちの約1/3を占めています。

このタンパク質ですが、分子の大きさとしてはかなり大きいサイズで、そのままの形で吸収することはできません。

分子の大きさを示す「分子量」でいうと、タンパク質は約10~30万ほどとも言われます。

タンパク質は「アミノ酸」がたくさんつながった構造をしているのですが、消化しやすくするために、一度、バラバラのアミノ酸に分解されます。
(アミノ酸の分子量は100~200前後だそうです。)

こうして、バラバラになったアミノ酸は腸内で吸収され、血液にのって体の各部位に運ばれます。
その後、アミノ酸がつぎつぎ繋がって、タンパク質が再合成されます。

アミノ酸は20種類ほどあって、これらの並び方によってどのタンパク質なるかが決まります。

つまり、コラーゲンをとっても、それが体内で100%コラーゲンに再合成されるわけではないのです。

仮に、コラーゲンになったとしても、コラーゲンは肌だけではなく、軟骨、靭帯など、あちこちに存在しています。つまり、どの部位のコラーゲンに生まれ変わるのかわからないのです。

このことが、「コラーゲンを食べても効果がない」と言われている根拠にあげられます。

ただ、私たちにとっては嬉しい研究結果もあります。

コラーゲンの質が大事!

食品や化粧品原料をつくる、味の素が発表した研究論文です。

先ほどふれたように、コラーゲンは一度バラバラのアミノ酸に分解されるのですが、一部は、アミノ酸がいくつかつながった「ペプチド」の状態で吸収されます。

この「ペプチド」はコラーゲン構造の一部を保っていて、これをもとにコラーゲンの代謝がアップするというのです。

つまり、コラーゲンを食べることで、「コラーゲンを新しく生み出す」効果が期待できるということになります。

コラーゲンは肌にたくさんあれば良い!と思われがちですが、実は大切なのは「コラーゲンの質」。

古くなったコラーゲンが肌に居座ると、どんどん弾力のない肌になっていくので、どんどん新しいコラーゲンを作りだすことが大切です。

これからは、コラーゲンの配合量だけではなく、どうやって肌の中でコラーゲンを作りだすのかに注目して、商品を選んでいきたいですね。

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